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導入事例
ロードバランサの業界において売上トップである、米国に本社を置く某IT機器メーカー。20台以上あるロードバランサの全てを同社製品で揃えて使用してきたアステラス製薬が、リプレースにあたって新たに購入したのは、パイオリンク社のロードバランサ『PIOLINK Application Switch』だった。理由は、コストパフォーマンスの高さと、省電力。「その後、トラブルは全くありませんね。ロードバランサの存在を忘れるくらい。ネットワーク機器はそのくらいがいいんです。」巨大なサーバ群をもつ製薬企業が、10年近くにわたって使い続けた製品を切り替えた舞台裏とは。
アステラス製薬株式会社
<会社紹介>
設立: 1923年4月
所在地: 東京都中央区日本橋本町2-3-11
資本金: 1030億円
事業内容: 医薬品の製造・販売および輸出入など
URL: http://www.astellas.com/jp/
日本発の研究開発型 グローバル製薬企業
アステラス製薬は、2005年4月に旧山之内製薬と旧藤沢薬品工業との合併により生まれた製薬企業。資本金1030億円、売上高9725億円(2008年3月)、グループ全体での従業員数は約1万3800人、拠点数は全国30以上と、これらは国内トップクラスを誇っている。得意分野としては、免疫抑制剤や過活動膀胱治療剤・排尿障害改善剤をはじめ、高コレステロール血症治療剤、消化性潰瘍・胃炎剤、中枢神経系薬剤などがあり、現在も重点研究対象として、「泌尿器」と移植を含む「炎症・免疫」、「糖尿病」、「中枢・疼痛」さらに「感染症(ウイルス)」、「癌」の6領域を掲げている。「日本発の研究開発型グローバル製薬企業として世界の人々の健康に貢献していきます」という考えのもとに、研究開発に力を入れている。
20〜30台ものロードバランサを必要とする巨大サーバ群
アステラス製薬が負荷分散装置、いわゆるロードバランサを導入したのは10年ほど前。外部アクセスに対処するためではなく、同社の全社員がアクセスするイントラサーバの負荷分散のために、対障害性の意味も含めてシステムを構築したのだった。当初はサーバのヘルスチェックができないなど使い勝手が悪かったため、やがて専用機が必要になり、知名度の高さからアメリカ企業の製品を導入。その後も業務系のサーバにおいて、全社員がアクセスすることからトラフィックが増えるものに対して次々と冗長化をはかり、現在では約20台以上の米国製ロードバランサが稼働しているという。
世界中にネットワークを広げる同社は、それらを網羅するグローバルネットワークを自前でもつ。それに繋がるサーバに米国製のロードバランサを使ったところ、あるとき、異常にパフォーマンスが落ちるという事態が起きた。国内での接続に問題はなかったが、欧州をはじめとする海外への接続が、極端に遅くなったのだ。販売店に依頼し徹底的に調査をしたが、結論は「仕様」ということに。結果的に、グローバルセグメントのロードバランシングを、機器ではなくOSクラスタリング機能を使って実現せざるを得なくなったことが、アステラス製薬が米国製のロードバランサに対する認識を改めることになったきっかけだった。
韓国製アプライアンス製品に対する同社の認識
その一方で、同社はスパムメール対策として、ネットワーク機器やFAに強みを持つ(株)アンペールから、韓国製のアプライアンス製品を導入していた。これはスパムメールをシャットアウトさせるための製品で、導入に当たっては6社ほどの機器を全て試用し、時間をかけて比較検討。その結果、性能面、価格面などのバランスのよさから導入することに決めたのが、韓国製品だったのだ。「コストパフォーマンスも含め、我々にとって非常に相応しい製品で、韓国製品に対してはいい印象がありました。思いきって導入すると非常によい効果が得られるという経験則があったのです。」インフラ担当者のこうした経験から、また(株)アンペールの薦めもあり、アステラス製薬はリース切れとなった米国製のロードバランサをリプレースするにあたり、PAS1708を選択したのだった。
製薬会社を支えるMRにとって必要不可欠な情報を提供
リプレースすることになったロードバランサは、同社のサーバ群の中でも、やや特殊なものだ。社員やMRが、メールをはじめとするグループウェアや、自らの営業実績などを日々携帯電話からアクセスしチェックするネットワークの中に組み込まれたもので、これにアクセスする社員数は約4000人。MRとはメディカル・リプレゼンタティブの略で、医薬品メーカーの医薬情報担当者のこと。医薬品の中でも、圧倒的なウェイトを占める医療用医薬品は、一般用医薬品と比べ効き目が強い分、副作用も強いことが多い。医療用医薬品は、生命に直接関係するという特殊な事情から、製薬会社の営業スタッフは、どの病気にどの位の量をどのように使えば効果があるのか、その際、どのような副作用が起こりうるのか、また、新たに発生した副作用情報、追加になった適応症の情報などを、病院や医師、薬剤師に提供する必要があり、他の業種における営業スタッフに比べ、専門的な知識が求められるのだ。対外的には、情報の提供や収集、伝達などがその仕事内容であるが、営業実績は自らの評価に直結するものであり、MRにとってはまさに必要不可欠な情報。そして、訪問先での営業活動がほとんどを占める製薬会社のMRにとって、携帯電話を使った社内情報へのアクセス、メールの利用は毎日、頻繁に行われるものであり、そのシステムは、ノンストップで稼働し続けることが命題である。
「存在を忘れる機器」こそが優れたネットワーク機器
「韓国製品に対する印象はよかったとはいえ、当然、最初は不安がありました。」アステラス製薬インフラグループ担当者のこうした声に応えるべく、(株)アンペールはまず基本動作の確認のためにデモ環境を作り、プレゼンテーション。そこで問題なく稼働することが確認できたことから、導入が決定したのだった。導入に当たっては、それまで使用していたロードバランサのコンフィグレーションをPASにコンバート。これまでとまったく同じサーバ環境で、機器だけを入れかえるという方式をとった。「その後、トラブルは全くありませんね。ロードバランサの存在を忘れるくらい。ネットワーク機器はそのくらいがいいんです。」
アステラス製薬がPASを導入した理由は、単に韓国製品に対して好印象をもっていたからというだけではない。そのひとつが、消費電力だ。省電力はアステラス製薬が全社的に取り組んでいる課題。サーバを置く自社ビルにも、ビル自体での総消費電力を削減する数値目標があり、中でもサーバルームは、ビル内で消費する電力のほとんどを占めていたのだ。省電力という点において、PASが米国メーカー製品に対して、はるかに少ない消費電力であることは、導入に当たっての大きな理由の一つとなった。また、初期費用に加え、保守費用も含めたコストパフォーマンスの高さも決め手の一つだった。「同じ性能であれば、導入コストが抑えられるのは大変なメリットですから」と、担当者は語る。通常、こうした新規製品を導入する場合は、4〜5社の製品を比較検討することが常だが、今回、同社がそれを行わなかったのは、「PASが非常に気に入ったというのもあるかもしれませんね。」
現在、同社では冗長化構成を図った2台のPAS1708が稼働している。もちろん、サーバ全体では現在も20台以上の米国製のロードバランサが稼働しているが、それらのリプレースにあたり、PASシリーズへの切り替えは、充分視野に入っているという。それはPASが、同社にとって必要な機能と性能--コストパフォーマンスの高さと、省電力--を、充分に備えているからに他ならない。
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