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導入事例
全国民注目の一大イベント。テレビによる生中継もされ、リアルタイムに速報を伝えるサイトには、アクセスが集中した。それを支えたのは『PIOLINK Application Switch』と、これを導入したインフォサイエンス株式会社 技術者の的確な読み。スポンサーサイドが提示した最大アクセス数の予想に対し、その倍の数を見込んで対応した同社であったが、実際には、当初予想の3倍近いアクセスが殺到したのだった。それでもなお、サーバはダウンすることなく情報を伝え続けた。ひとつのプロジェクトを成功に導いた、舞台裏に迫る。
インフォサイエンス株式会社
<会社紹介>
設立: 1995年10月
所在地: 〒108-0023 東京都港区芝浦2丁目4番1号 インフォサイエンスビル
資本金: 1億円
事業内容: ・セキュリティ関連ソフトウェア製品開発
・受託システム開発サービス
・包括システム運用サービス
・データセンタ運営
・システムインテグレーション
URL: http://www.infoscience.co.jp/
情報システムの開発と運用を融合させたD×Dソリューション
インフォサイエンスは1995年10月創業。代表の宮氏はもともと大規模システム運用の技術者であり、そのバックグラウンドをもとに興された会社である。Webデザイン、あるいはシステム開発などから始まる会社が多い中、データセンターからスタートし、その後開発チームが創設された点が、同社の特長であり、強みともなっているのだ。

通常、こうした企業において開発とデータセンターは別会社、あるいは別の事業部であることが常。その点、インフォサイエンスはひとつの会社でこの2つを併せ持つため、ユーザにとってより親身なサービスを展開することができるのだ。システムに問題が起こった際、問い合わせ先がひとつで済むというのが、大きなメリット。回線から始まり、サーバ、OS、アプリケーションと多層化したシステムのどこに問題があるのかを特定し、それを解決することは、特に会社が分かれている場合は困難となるが、これがひとつになっていることで、迅速な対応を可能としているのである。インフォサイエンスが他社と異なる点は、サーバを構築して終わるのではなく、その後、長きにわたって安定した運用までを行うところにあるのだ。

これを、同社ではD×D(ディーバイディー)ソリューションと呼ぶ。情報システムの開発(Development)と、運用(Datacenter)を融合させた、独自の一貫サービスを表わす言葉だ。さらに開発、運用にとどまらず、その先にあるメリットを、D×D事業部マネージャーの杉山氏はこう説明する。
「ネットビジネスは最初から大規模に行うのではなく、徐々に育てていくことが最高の投資効果をもたらします。規模を拡張する際にもその実績を洗い出し、最適なサイズを提案し、再び開発、運用していく。そのサイクルを潤滑に回していくことが、最適なソリューションだと考えます」
スモール&クイックスタートした情報システムを運用。そしてユーザのニーズに応えて機能の追加、サービス範囲の拡大などを行うにあたって、最適な規模でこれを提案していけるというのが、開発と運用を同時に行う同社の特長となっているのだ。
アクセスの集中が予想される一大イベントの速報サイト作り
2007年10月、インフォサイエンスに、これまでにない業務の依頼が訪れた。翌年2月、都内で行われる大規模なイベントのサイト運営である。当日、トップアスリートから一般参加の人々までが一堂に会するそのイベントはテレビ中継もされ、各人の成績をリアルタイムに配信するサイトには、当然、多くのトラフィックが集中することが予想された。当初、これを契約するにあたって、対応しきれるかどうかの不安が杉山氏にはあった。
「負荷分散装置(ロードバランサ)を使わずに、サーバだけでラウンドロビンという手法で対応することも考えましたが、それでは全てのユーザにサービスが提供できなくなり、ソーリーサーバにも割り振られることなく、繋がらない状況が生まれてしまいます。ですからこの業務を受けるにあたって、負荷分散装置を導入することは当初から決まっていました」と杉山氏。当初、1日だけのイベントということもあり、ロードバランサは1台で対応しようと計画していたが、同社はこれを新たなビジネスチャンスと捉えた。
「瞬間的に高負荷のアクセスがくるようなサービス、例えばテレビで告知されるキャンペーンなどにも対応できるようになれば、新しい展開が拓けます。そう考えた時点で、冗長化できるよう、負荷分散装置を2台を導入することも決まりました」
D&D事業部
マネージャー
杉山真一
無停止のシステムが構築でき、アクセスの集中により1台が落ちても、もう1台が受け切れる点が、冗長化の利点だ。

そして同社は、クライアントが予想した、当日のアクセス数に対し、その倍の数を想定。これに対応できるシステムの構築に着手したのである。多くの人々が注目する一大イベント。その様子をリアルタイムで配信するサイトは、絶対に落としてはならない。技術企業としての意地が、杉山氏にあった。
比較検討の結果、設定も簡単で使いやすく、高機能・低価格のPASを導入
ロードバランサの選定には、いくつかのメーカーを比較検討した。
「自前主義というのが、我々の方針ですから、お客様に提供する全ての製品・サービスを自ら検証し確認することのできるものが、選定の対象となる製品でした。評価機を借りてテストをすることは、絶対条件です」
実は、遡ること2年前、同社はパイオリンクの販売パートーナー企業である(株)アンペールから、ロードバランサ『PIOLINK Application Switch』(以下PAS)の評価機を使用した経緯があった。設定も簡単で使いやすく、価格も安いという印象を持ったが、当時は業務にとっての必要性が薄く、いったんペンディングとなっていた。そしてこのイベントに対応できるロードバランサの選定にあたって、同社は再びPASをテスト。機能面、価格面で検討した結果、シリーズの中でもミッドレンジ機種である『PAS 5016-SSL 5000』(以下『PAS 5016』)を2台導入することとした。2月のイベント当日を目前に控えた、12月末のことである。
「初めての経験でしたから、少なくとも大会の1カ月前からテストをしなくてはいけない。逼迫していましたから、納期が早いことも重要なポイントでした」(杉山氏)
アンペールに正式な発注が来たのは、年も押し迫った12月27日。そして年が明け、1月11日に『PAS 5016』は導入された。発注から納入までわずか5営業日という早さを実現したのは、在庫販売というスタイルを、アンペールがとっているからだ。
イベント当日。当初予想の3倍のアクセスにも対応
『PAS 5016』に決定した理由はまだある。
「今回の導入をきっかけに今後も運用していくことを思えば、設定が難しくない点は魅力でした。社内の技術者で設定ができ、また新しい社員が来たときにも、難しい設定では慣れるのに時間がかかります。また、他社の機種はその性能を使い切れないほど多機能で、その分高価でした。その点、使いやすく安価なPASは、我々の思いにマッチした製品だったのです」

D&D事業部
システム運用チーム
プロジェクトマネージャー
大塚宏樹
サーバ負荷分散は、サーバ13台を『PAS 5016』でL4負荷分散。万が一その全てがダウン、もしくは各サーバ毎に設定した最大接続数を超えた接続があった場合は、2台のソーリーサーバ群へトラフィック振り分けるよう設定。また回線負荷分散は、USEN3回線・Bフレッツ8回線を用いて負荷分散。マルチホーミング機器を用いず、DNSサーバでDNSラウンドロビンを行うことにより、アクセスを各回線の公開用グローバルIPにトラフィックを振り分けるとした。さらに『PAS 5016』でGWLB(ゲートウェイ負荷分散)機能を使用することにより、クライアントへの応答を、リクエストと同じ回線に送信。そしてHA構成はアクティブ側のロードバランサがダウンした場合スタンバイ側に切り替える設定(回線がダウンした場合にはロードバランサのフェイルオーバーは行わない)とした。

約1カ月の間、テストとシミュレーションを繰り返し、そして当日。イベントに参加する各人の成績をリアルタイムに表示するそのサイトには、予想通りアクセスが集中したが、最後まで「Not Found」の文字が表示されることはなかった。あとで分かったことだが、この日の瞬間的には、当初予想されていた数の3倍ものアクセスがカウントされていたのだった。

インフォサイエンスにとって初めての経験となるこのプロジェクトは、成功を収めた。
PASの導入をきっかけにさらなるビジネスの発展へ
「もっと小さなマシンでもできたとは思いますが、あえてスループットをギガ単位のものにしたのは、これを皮切りに、新たなソリューションとして活用したかったからです」と杉山氏。企業としてサービスのバリエーションを増やすことで、お客様の満足度を上げることができ、また冗長化構成によって無停止のシステムが構築されたことで、社内の技術者の負担も軽減されることになる。
「間違いなく、提案の幅は広がりました。今後は、さらに多角的に開発や運用の提案をしていきたいと考えています」
創業以来、社員数と売り上げを右肩上がりを増やし続けてきたインフォサイエンス。「今年は投資モード」と語る杉山氏の言葉通り、人、物、お金を投資し、将来の展望を広げている。同社の業務にとって必要な「物」のひとつとして『PAS 5016』は今も、2台が揃って稼動を続けている。
社内に設置されたPAS5016。
両端の青色LEDの動きから稼働機・待機機を一目で見分けられるのも特徴。
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ロードバランサ・負荷分散・アプリケーションスイッチ