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どんな製品を開発するのか?
株式会社パイオリンク 製品開発研究所
所長 李ジュンヒ

使いやすい製品の開発

 製品を開発するのにあたり、筆者が一番強調することは使いやすくて便利な製品を作ることである。様々な要件の中でこの点を特に強調する理由は、他の要件は既にどの製品においても基本であるという考えもあるが、実は殆どの開発エンジニアがこれに対してはあまり関心を持っていないからである。つまり、製品の性能や機能に対する開発意欲は非常に高いのに対して、この製品を使う顧客に対する配慮は「次に考えてみる」などで後回しにする場合が多い。開発者と「使いやすい製品を開発する」というテーマを出して論議をして見ると、多くの開発者が、やがてこれがエンジニアのプライドを傷つけることのように敏感に受け止めるか、または非常につまらないこととして片付けようとする傾向があるのが分かる。

 筆者も振り返ってみると確かにこのような経験をした覚えがある。エンジニアの視野で製品またはサービスを見た場合、顧客の立場の立場に立った悩みは多くなかった。顧客の立場に立った悩みよりは製品の構造、性能、機能的側面に対する悩みで頭を抱えていた。当然、製品にこのような機能、このぐらいの性能が必要であり、自分が満足するに値すれば他の人々もそう思うだろうという漠然とした確信と自信感に満ちていた。しかし、時間が経つにつれてこのような私の確信は傲慢と偏見であることを余儀なく思い知らされた。非常に有用であると思っていた機能は、その複雑さであえて使われない場合が多かったし、その複雑な機能を使うことによりあえて不具合を引き起こし、問題をさらに重くしたこともあった。 その後、筆者は日々に変化する複雑な環境でも顧客が必要とする機能を顧客の立場(使う側)で見て使いやすい製品を開発するのが真の開発者及びエンジニアの役割であることを悟るようになった。

 筆者が考えている顧客の便利性を具現するための一つ目の原則は、もう一度考える、そして検討することである。設計段階から便利性に対する考えがなければ後から追加開発するのは非常に工数が掛かることであり、必要とする目的を果たせない場合が多い。従って、「今具現しようとすることが果して顧客の立場から見て便利なのか、足りない部分は無いのか」などを関連する複数の部門が一緒に検討する段階をプロセス化して施行することが必要である。勿論、開発が完了した後にも製品使用に不便な点がないのかに関して顧客からのフィードバックを製品に反映することも必要である。このようなプロセスを実行して製品を開発しているのにも関わらず、相変らず製品の便利性に関した要求事項が多く出ているのを見ると、これは簡単そうに見えても実現するのは如何に難しい事かを実感する。筆者は、製品の完成度水準を判断する場合は、先ず顧客の便利性を見る。これ一つだけを見れば、その製品の機能、性能、品質などの完成度を見積ることができるからである。

 二つ目の原則は、単純化である。いくら技術的に複雑な機能であっても顧客が易しく理解して最大限簡単な設定で使うようにすることである。一つ目の原則時にも触れたが、多くの実装した機能がその複雑さによって廃棄されるか、または不具合を起こす引き金になることもある。ここでも難しさは存在する。単純化と機能の縮小化を混同するのが一番先にぶつかる難しさである。つまり、使いやすさを求めると具現する機能が非常に制限されることである。しかし、これは顧客の立場に立って工夫すれば色んな方法で実現可能な場合が多い。

 三つ目の原則は、製品のローカライズ(自国語化)である。開発者の立場からみると多くのリソースが必要とするので、英語版のみの対応とかを選択したがる傾向があるが、顧客(使う側)としては、母国語で製品を使うことにより業務の效率性と利便性が増大するので、できる限りユーザインターフェース及びマニュアル等はローカライズして提供していくのが当社の方針である。


アプリケーション、環境への配慮、そして 。。。

 今までの製品開発の方向性は、使いやすい製品を開発することに焦点を当ててきたが、今後の製品開発の方向性は、その製品の使用環境の変化に大きい影響を受けると見られる。今までのロードバランサーの役割が一般的なサーバ及びネットワークの可用性と負荷分散及びネットワーク・トラフィックの效率的な管理に焦点を当ててきたとすれば、これからはアプリケーションに特化して細分化された多様性をサポートする方向になっていくと思われる。これは WEB2.0に代弁される 2.0 時代、即ち顧客がコンテンツを作り上げて共有する時代の始まり及びネットワーク通信網の融合もその流れである。ネットワーク通信網の融合は、有無線ネットワークの統合を含めた既存のデータアプリケーションから音声、画像などを含めたマルチメディアの新しいアプリケーションの出現を加速化させている。ロードバランサーにおいてもこのような環境の変化を持続的にサポートすることが要求されると見られ、この方向で製品が進化すると思われる。

 アプリケーションへの特化は、既存サーバ及び L4/L7基盤のロードバランサーからは一歩進んでアプリケーション・プロトコルの理解を通じて各々の異なる細密なサービスが提供されるようになることを意味する。当社では、多様なWEBアプリケーションの発展は、既存 HTTPを基盤とした負荷分散から、アプリケーションのセキュリティを確保するためにWEBアプリケーション・ファイアウォールが開発され商品化している。当社がリリースしたSIP(Session Initiation Protocol)サーバに対する負荷分散機能は、特定アプリケーションの基盤になるプロトコルの理解を通じて既存の製品ではできなかったコール IDに基盤した負荷分散を実現した例もある。今後ともこのような特化されたアプリケーション・プロトコルとの連携を通じてもっと多様な機能を提供するために努力する所存である。

 アプリケーションに特化した開発と共に環境に配慮した製品開発を心掛けている。環境に配慮した製品開発への取り組みとしては、RoHS対応による有害物質を含んだ部品の未使用から、消費電力の最小化、長期保守に至るまで多岐にわたっている。

 最後に、当社は、数年前にWEBアプリケーション・ファイアウォールに対する市場のニーズを把握したことがある。そのときに感じた点は、多くの顧客がWEBアプリケーション・ファイアウォールの導入の必要性は痛感しながらも全体システムの性能に対する憂慮のために導入に踏み込めないケースが多かったことである。当社は、WEBアプリケーション・ファイアウォールを開発において、この性能に対する憂慮を払拭させるために努力を傾けた結果、高性能のWEBアプリケーション・ファイアウォール市場を切り開くことが出来た。当社は、今後も益々発展して行くアプリケーションを效率的にサポートするために、現在のマルチギガレベルの製品からマルチ10ギガレベルの製品、それ以上の製品性能を実現するために更なる努力を重ねていく所存である。


価値を生み出す製品

 パイオリンクの開発している製品は、「世の中にどのような価値を生み出しているのか?」、「顧客が必要とすることを満たしているのか?」と殆ど毎日のように自分自身に問い続けているが、いつも答えに詰まってしまう。多分あまりにも多い多様性が存在するからだであると思う。製品を開発する立場としては、最大限共通な事項を洗い出し、より多くの顧客が満足することができる機能を搭載した製品を、適時に提供することがある程度の答えにはなると思うが、完全に満足することは不可能であると思う。どのような製品も使われている国によって特徴的な違いもあるし、今後アプリケーションの特化による違いも一層加速するだろう。このような違いを乗り越えてベンダーとして「価値を生み出す製品」を開発するために、パイオリンクは更なる努力と顧客との緊密な協力を惜しまない覚悟である。


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